経済・政治・国際

森永卓郎講演会を聴く

2012年1月25日、所沢商工会議所と所沢市が主催する「森永卓郎新春講演会」を所沢MUSEにて聴いてきました。演題は「2012年 中小企業の今後と日本経済のゆくえ」でした。

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講演に先立って所沢商工会議所の平岩会頭が挨拶に立ちましたが、その中で「もはや政治はあてにならない、自助努力あるのみ」と語っていたのが印象的でした。次に登壇した藤本市長も、日本経済について「先が見えない厳しい状況」とした上で「森永先生の話は示唆に富んでいる。私もきょうは最後まで一緒に聴く」と挨拶しました。

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森永氏の新春講演は昨年も聞きましたが、そのとき語られた統計にみる日本経済の明るい兆しは、約2カ月後の東日本大震災という予想外の出来事にかき消されてしまいました。果たして今年はどうなることでしょう。

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森永氏は、世界経済の現状について、混乱の原因となっているギリシャとイタリアの財政破綻は実際には大きな問題ではなく、格付会社が発表した国債の格付の下げが真の原因だとしました。さらに「格付会社は国際投機資本とグルではないか」と指摘しています。

「国際金融市場はサバンナのようなもので、ライオンやハイエナやハゲタカが、弱い動物を襲って骨の髄までしゃぶりつくす」と森永氏。しかし日本は国債の92%を国民が(郵貯などを経由して)持っており、従って国債の格付けが下げられても、海外の投資家がパニック売りに出るようなことはないと断言しました。

さらに今後の日本には東日本大震災の復興需要があり、過去の例からみると2年から4年はそれが経済を支えることが予想されるそうです。同時に森永氏は、復興需要には必ず終わりが来ると指摘し、この復興需要の終わる時期に増税のタイミングが重なることに危惧を感じているといいます。もし自分が日銀総裁になれば、徹底的な金融緩和を実施し、経済を活性化することで財政再建を支援すると語りました。

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ここで森永氏はグラフを掲げながら説明します。それによると2008年のリーマンショック後に、世界中でデフレが起きました。そこで先進国は金融緩和でカネを増やして流通させました。ところが日本だけがそれをしなかったせいで、経済は回復せず、急激な円高まで招いてしまいます。森永氏の見解によれば、ここが日本の最大の失政だったとのことです。

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では厳しい経済状況の中で私たちはどうしたらいいのか。中小企業は「良いもの」を作り、「付加価値のあるもの」を提供し、価格競争に陥らなくても済む道を探るべきだと森永氏は言います。そのためにはアイデアがポイントになるとし、暗くなってはいけない、落ち込んではいけない、すなわち森永氏が以前から提唱してきた「日本人ラテン化計画」に結び付けて講演は終わりました。

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日本経済が元気なころに「年収300万円時代が来る」と予測し、生活様式の変革を訴えていた森永氏。現状分析と未来を予測する力には定評があります。今回の講演も随所に独自の思考がひらめき、ときには落語のような話も織りまぜ、聴衆に訴えかけていました。私もラテン化計画に乗ろうと思います。税金くらい納期限までに払わなくてもアッケラカンとしていたいと思います!

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新春講演会(森永卓郎さん)を聴く

本日1月26日(水)は、所沢市と所沢商工会議所が主催する「新春講演会」に行ってきました。午後1時開場で、講演は午後2時~3時30分。会場は所沢市民文化センター(MUSE)小ホールでした。

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森永さんは所沢市民ということで、それだけで親しみが感じられます。本日の演題は「2011年、どうなる日本経済、経営、暮らし」というもので、テレビやラジオではなかなか言及できないエピソードなども含め、率直な意見が聴けました。

以下は私というフィルターを通したメモですので、必ずしも講演内容そのものではありませんが、 いちおうこんな話だったということで書いておきます。

●日本経済はようやく明るい兆しが見えてきて、急浮上している。たとえば(製造業全体の指標である鉱工業指数は11月に3.4%、12月に3.7%も上昇した)(百貨店、スーパーは去年よりも高いものが売れている)(大阪のタクシー業界では空車がないケースが出た)(2009年より2010年の方が求人が25%増加している)などなど。

●デフレ終息の気配が見えてきた。森永氏の見方は「夏までは良いと思う」とのこと。

●問題は、誰にもその先が読めないこと。なぜ読めないかというと、政治の先行きが分からないから。民主党の経済政策が変わる可能性もある。

●最近の菅総理は前原・野田ラインに乗ってしまった。アメリカの言うことを聞く路線。施政方針演説ではTPPによる開国、増税、不条理をなくすと言った。

●TPPの本質は「アメリカの農産物や工業製品が売れる」国にすること。他の国とはほとんどFTAを結んでいるので、あまり影響はない。しかしTPPになると、日本の農業は4兆1千億円減少、340万人が仕事を失い、自給率は14%になると試算されている。輸入米が10キロ1000円くらいで買えるようになるが、日本の田んぼは壊滅状態になる。砂糖も全滅になるだろう。それでいいのか?

●林業で前例がある。安い輸入木材が入ってきて、日本の材木は売れなくなり、山は間伐さえされなくなり、下草が生えず荒廃した。山林では土砂崩れが起きるようになった。TPPにより田畑で同じことが起きるだろう。日本中が耕作放棄地になることが予想される。

●日本の農産物は確かに世界一安全だが、輸出で成功するには時間が掛かる。TPP賛成派は日本農業は鍛えられて強くなるというが、滅びる可能性のほうが高い。

●アメリカはマネーゲームをやめて、ものづくりや農産物輸出をめざしはじめている。TPPはアメリカの望むもの。日本政府は素直にいいなりになっている。なぜか。

●菅直人の目標は、ただひとつ「総理になること」だった。他には何もなかった。しかし、いまは目標が変わった。「少しでも長く総理でいること」になった。アメリカの言うことをきく総理大臣は長期政権になる。中曽根、小泉など、みなそうだ。言うことをきかないと短期で辞める運命になる。だから菅総理はアメリカに擦りよった。TPPも、増税による財政再建もアメリカの求めるものだ。

●デフレ脱却国民会議が言うように、消費税を上げなくても、デフレを止めれば財政再建は可能である。与謝野は頑固な金融緩和反対論者で、藪医者のようなものだ。

●リーマンショックのあと、先進諸国の中で日本だけが金融緩和(流通するお金を増やすこと)をせずに、急激な円高にしてしまった。明らかに日銀の政策の間違いだった。

●経済は単純明快。あふれるものは安くなり、足りないものは高くなる。市中にカネを供給すれば効果がある。最近の明るい兆しは金融緩和のたまものである。しかし、与謝野はこれを止める可能性がある。菅総理は経済を知らないので与謝野の間違いを止められない。

●財政再建が急務というが、たしかに日本は900兆円の借金がある。しかし資産が500兆円ある。その差は400兆円。これはヨーロッパ各国と較べても健全な方だ。しかも日本国債は95%を日本国民が持っていて、パニックにならない。ギリシャのように国際金融団のような危ない組織に買ってもらっていないから安心だ。

●デフレで税収は17兆円減った。まずデフレを止めるのが先決だ。名目成長率を1%上げるだけで良い。財政再建はそこからはじまる。

●森永さんは楽観しているとのこと。なぜなら菅内閣は数ヵ月か、長くても1年以内しか持たないと思うから。無罪放免となる可能性の高い小沢氏の反撃もはじまるだろう。小沢と鳩山で党を割ることもありうる。

●次にどういう政権ができるか、それによって経済状況は全く変わる。とにかく早く次の総選挙をやってほしい。与謝野が次の選挙に出ないと言っているから。

と、こんなメモになりました。うまくまとめられていませんが、大筋は伝わるかと思います。まずTPPは実質的にアメリカの都合で押しつけられたようなもので、日本の自給率をさらに押し下げ、農業と農地を荒廃させるものであること。次に、財政再建はデフレを止めることが先決で、そうすれば増税の必要などないこと。そして、日本の政治状況によって今後の経済が全く変わること。このあたりを記憶にとどめておきたいと思います。

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本日は参院選、出口調査は大きらい。

あいかわらずの暑さと湿度と、ときどき降る雨。

そんな中、参院選の投票に行ってきました。

今回はマスコミの出口調査に襲われずに済みました。

選挙のたびに思うことですが、

テレビはどうして「出口調査」で「当選確実」を「早く」打ちたがるのでしょうか。

ときどき当選確実の人が落選する「誤報」まで流しながら。

数時間後には選管から正確な結果が出るのに、それさえ待てないテレビ。

こんな無意味に忙しい時代は早く終わらせてほしいと思います。

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写真は西武鉄道本社の横にあるテラスでくつろぐ人々。(6月撮影)

こういう風景にほっとするのであります。

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消費税を上げれば財政は再建できるのか?

3日(土)午後3時、菅直人総理大臣が所沢駅前で街頭演説。パステルピンクのワイシャツの袖をたくしあげ、大きな身振り手振りで声を張り上げていた。なかなかどうして元気な演説である。

わたしは、菅総理が注目の消費税論議に触れるか触れないかを注目していたが、積極的に触れたので意外な気がした。これまで消費税増税を訴えて選挙で負け、退陣した総理が何人もいるからだ。菅総理も周囲から「消費税には触れるな」「選挙が終わってから議論したほうがいい」とアドバイスされたそうだが、どうやらそれは彼の流儀に合わなかったようだ。

演説の中で菅総理は言う。「もし国の財政が破たんしたら、大変なことになる。今以上に仕事がなくなり、年金も削られ、弱い者が苦しむ。日本をギリシャのようにするわけにはいかない。そのためには消費税を上げることも考えなくてはならない。もちろん税金の無駄使いをなくしてからの話だ」

その主張は、聞きようによっては正直で、責任ある態度のように思える。しかし実際はどうだろうか。消費税を上げることで、本当に財政は再建できるのだろうか。焼け石に水なのではないだろうか。この点、菅総理は財務官僚に洗脳されてしまったのではないかという懸念が残る。財務省には大企業の経営者が審議会委員などいろいろな形で影響力を持っている。どう見ても経済通とは思えない菅総理を、彼らに有利となる論理で洗脳することは簡単だろう。財界に有利な政策が喧伝され、中小企業や一般国民は切り捨てられていくのだ。消費税引き上げはその分水嶺になるような気がする。

所沢駅前には多くの聴衆が集まって、歩くこともままならない状態だった。しかし、お世辞にも盛り上がっているとはいえない雰囲気だった。歓声や拍手が、政権交代を実現した昨年の総選挙とは違う。「どうですか、みなさん!」と菅総理が問いかけたときも、拍手はまばらだった。私などはカメラを持っていたのに、写真を撮るのを忘れてしまった。

この選挙、民主党にはかなり厳しいものになるだろう。それなのに自民党も影が薄い。大きな政界再編を経なければ、日本はもたないような気がする。その混乱期を、疲弊した中小企業や非正規雇用労働者が生きのびていけるのか。暗澹たる気持ちになる。

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民主党の圧勝、政権交代。

昨夜は遅くまで選挙特番を見ていた方も多いのではないでしょうか。わたしはテレビ局の当確早打ち競争みたいのが嫌いなので、必要な情報だけ狙ってチャンネルを替えながら見ていました。しかし小選挙区制度というのは凄いですね。オセロのように一気に勢力図が変わってしまいます。

国会の首班指名が終われば、鳩山民主党による政権運営がはじまるわけですが、現時点でベストではなくても、ベターな施策を打ち出してほしいと思います。自民党も選挙中に使ったえげつないネガティブキャンペーンはやめて、この機会に民意をよく聞きながら勉強しなおすべきでしょう。

景気回復と福祉向上は緊急の課題です。わたしも零細企業ですから未曾有の不景気が身にしみています。多くの経営者が、過去のたくわえを食いつぶしながらかろうじて生きのびている現状を、議員の皆さんにも実感としてご理解いただきたいものです。

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都議選いよいよ近づく。

本日は私のクライアントである某都議会議員の総決起集会だった。東京都議選は7月3日公示、12日投開票である。選挙運動もいよいよ気合が入るところだ。東京都政というのは本来「地方自治」であるから、国政とは一線を画したものでなくてはならない。石原知事の都政運営を争点にするならまだしも、麻生政権の是非を問うものではないはずだ。しかし、麻生総理は自民党公認の都議候補の事務所をすべて回るという画期的な行動に出た。完全に国政と都議選をリンクさせたのである。これが吉と出るか、凶と出るか。大きな賭けと言わざるを得ない。本来であれば「国政と都政はまったく別のもの」と言い切っても良いと思うし、そのほうが本来の選択肢を都民に与えることができると思うのだが、いかがなものだろうか。

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